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富士山、三連続

 12月上旬の富士山は恒例。8日間に3度、佐藤小屋に泊まり富士山頂上を目指した。1245日は、4合目以上はずっとテカテカのアイスバーンで8合目3250mまで。67日は気温がかなり上昇して少し新雪が乗り登りやすかったが1回目同様に8合目まで。1112日は佐藤小屋で30センチも新雪が積もり様相はまるで変わっていた。アイスバーンはほとんどなくなっていたが、風強く、メンバー相談で7合目まで。三度ともぜんぜん違う様相の富士山だったなと思う。

 中でも6〜7日はいろいろ考えさせられた山行だった。8合目を往復したが、結果的にはまるでそこでで動けなくなっていた単独行者を助けに行ったような山行になった。そもそも67日は天気予報が悪く、同行者iさんに延期しましょうかと打診し6割延期かなと思っていたが、iさんが行くというので行くことに決断した。3050mまで上がった所でiさんの体調から引き返そうかという話になったが、まだ時間が早かったので、もう少し3200m白雲荘まで上がろうということになった。ここに遭難者、単独行者はビバークしていた。携帯電話を失くしたので救助を呼んでほしいという。

 彼は前日に日帰りの予定で富士山に行き、体調不良のためにビバークして夜を越えたが、ツェルともなく、5度前後で風もなく、こんなに気温が高くなければ凍死していたと思う。会った時は意識朦朧、低体温症になりかけていた。警察に救助を呼んだら、天気が悪いので、ヘリ救助は無理だという返事だったが、結果的に2時間後に消防のヘリが出て彼は救助された。偶然の積み重ねで助かった彼の命。人の生死なんて、そんなものなのかもしれない。

一人でビバークした夜、意識がきちんとあったなら、きっと死を覚悟したのだろう。翌日、翌々日も予報は悪天の平日では8合目まで人が上がってくるとは思えないだろうし、家族から救助要請も登山届も出していなかった。

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