剱御前奥大日岳、黒部上ノ廊下

８月5〜6日は剱御前小屋に泊めていただき、剱御前と奥大日岳の撮影行。全国的に高山植物は当たり年だったが、期待通りの撮影ができた。梅雨明けが早かったので、お花の最盛期も早いのかなと思ったが、残雪がそれなりにある北ア北部では例年通りだったようだ。

８〜11日は黒部上ノ廊下へ。台風と前線停滞で悪天候のお盆期間、渇水しているうちに、隙を見て、奥黒部ヒュッテから立石までの上ノ廊下をワンディで早駆けした。上ノ廊下は増水の可能性がある時は絶対に広河原と立石以外に泊まってはいけないということ(詳しく説明はしないが)を、今回も目の当たりにした。岩苔小谷も渡れなくなっていたので夢ノ平への踏み跡はあきらめ、高天原峠に上がる標高差600m程度のヤブ尾根を始めて上がったが、夢ノ平に踏み跡から上がる労力と比べて倍程度だろうか。雲ノ平山荘ではオーナーの伊藤二郎夫妻らにもてなされ、一仕事終えて飲んだワインはひとしおの美味しさだった。もし晴天続き、渇水の上ノ廊下だったら特にこんな感慨はなかったと思う。苦境を乗り越え、この悪状況で遡行できたから感慨無量だった。天気予報を凝視し、日程設定にどれだけ悩み、2回入山日を変更した。これは、コロナ禍を生き抜き、何かを成すのには似てはいないか。